尿糖が陽性と言われたら…
尿中のブドウ糖の濃度が高いと尿糖が陽性になります。多くの場合は血糖値が高いことが原因です。つまり、尿糖が陽性の場合は糖尿病の可能性があります。当院では、糖尿病の診療経験が豊富な糖尿病専門医が患者様それぞれに合わせた診療を行っております。尿糖の陽性を指摘された場合は、お気軽にご相談ください。
尿糖陽性は要注意です
尿糖の検査結果は（－）～（4+）で表記されます。（－）は陰性です。一方（＋）は陽性で、尿中に糖が含まれている状態を表し、数字は糖の量がどの程度であるかを示しています。（±）は尿中の糖が正常値を超えてはいるものの（1+）～（4+）ほどではなく、注意が必要である状態を意味します。
尿糖が検出される原因
尿糖は血糖値が上昇したときや妊娠時に検出されやすく、他にも糖を再吸収する腎機能の低下（腎性尿糖）が原因として挙げられます。
血糖値の上昇による尿糖陽性
血糖値が高い状態が続くと、腎臓で糖の再吸収が追いつかずに尿中に糖が溢れてきます。個人差はありますが、一般的には血糖値が160～180mg/dl以上になると尿糖が陽性になります。血糖値が上昇する要因としては、糖尿病以外にも様々な疾患が考えられます。また、お薬や食事に含まれる糖が原因で血糖値が一時的に上昇し、尿糖が陽性になる場合もあります。
腎性尿糖
糖を再吸収する腎臓の機能が低下すると、血糖値が正常値以下でも尿糖が検出される場合があります。これは腎性尿糖と呼ばれる疾患で、他に症状がない場合には特に治療は必要ありません。
妊娠期間中の尿糖陽性
妊娠時の尿糖は大きく分けて2つあり、1つは生理的な尿糖、もう1つは妊娠糖尿病に起因する尿糖です。妊娠糖尿病は、胎児の発育や母体の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、予防と早めの発見・治療が不可欠です。ただし、妊娠糖尿病であっても常に尿糖が陽性になるとは限らず、尿糖だけで妊娠糖尿病を診断することはできません。適切な診断には、血糖値の測定が必要です。
尿糖が陽性だったときに気を付けること
精密検査で原因の特定
高血糖が原因の尿糖陽性であっても、高血糖が起こっている要因に応じて対処方法が変わります。尿糖陽性だけでは疾患の診断はできませんので、受診して精密検査を受け、原因を調べることが重要です。
生活習慣の改善
尿糖は血糖値の一時的な上昇が原因で検出される場合があります。このため、適度な運動や食事の管理などで血糖値が急激に上昇しないように心がけることが必要です。ただし、最適な食事や運動の内容には個人差がありますので、医師の指導のもと、ご自身に合った生活習慣を整えることが重要です。
尿糖の陽性を指摘されたら
溝の口駅前甲状腺・糖尿病クリニックまで
尿糖が陽性で、特に（2＋）以上の値が認められる場合には、血糖値が高く糖尿病に該当する可能性があります。このため、仮に血糖値が上昇しやすい食後の値だったとしても、そのままにせず、血液検査を受けることを推奨します。
また、尿量の増加、体重の減少、のどの渇き、だるさなど、高血糖が疑われる自覚症状が現れている場合は、尿検査の結果を問わずに当院までご相談ください。