甲状腺の腫れ、首のしこり

首のしこり・腫れ

甲状腺イメージ
首には様々なしこりができます。疾患によるものや良性のものもあり、痛みがある場合もあれば全くないこともあります。腫れの原因がリンパ節や甲状腺にある場合は治療が必要ですので、気になる症状がある方はお早めに当院までご相談ください。

首のしこりで疑われる疾患

首には甲状腺やリンパ節、神経や血管も集中しています。首にしこりや腫れが発生した場合に疑われる疾患は次の通りです。

リンパ節の腫れによって生じるしこり

急性リンパ節炎

細菌や真菌、ウイルスが咽頭や扁桃に感染して炎症が起こります。上気道感染に起因する急性リンパ節炎では、主に鼻水や発熱、のどの痛みがあり、しこりを押すと痛みを感じます。
首以外に足の付け根や脇のリンパ節にも腫れが認められる場合には、ウイルスによる伝染性単核球症などの全身性疾患の可能性も疑います。

悪性リンパ腫

リンパ球ががん化することによって発症します。脇の下や首などリンパ節が集中している部位が腫れてしこりになります。押しても痛みはありません。体重減少や発熱などが主な症状として挙げられます。

菊池病

若年層に多い良性のリンパ節炎です。主な症状として、長期にわたる発熱、体重減少、湿疹、リンパ節の腫れなどが挙げられます。検査によって悪性リンパ腫の鑑別が可能です。

がんの転移

がん細胞が血液やリンパ液によって他の臓器に運ばれて増殖します。脇の下や首などのリンパ節が集中している部位に腫れが生じます。

甲状腺の腫れが原因のしこり

首のしこりや腫れは疾患を見つけるための重要な手がかりです。甲状腺で発生する腫れの大半は良性ですが、10%前後は悪性腫瘍だと言われています。気になる症状のある方は当院までお早目にご相談ください。

唾液腺の腫れが原因のしこり

顎下腺腫瘍や耳下腺腫瘍などの疾患で唾液腺が腫れることがあります。悪性か良性かを鑑別するには検査が必要です。また、ウイルス感染や細菌感染、シェーグレン症候群などが原因で唾液腺が腫れる場合もあります。

嚢胞

内部に液体が満たされた袋状の病変を嚢胞と言います。治療は不要のことが多いですが、感染に起因する嚢胞には適切な治療が必要です。

首のしこりの診察と検査

診察風景問診と触診でしこりの状態を確認します。問診では既往歴やしこりの状態、しこりに気づいた時期などについて伺いますので、分かる範囲でお答えください。触診では腫れている部位を特定し、腫れの硬さや大きさを確認します。必要に応じて超音波検査や血液検査を行い、しこりの状態を詳しく調べます。超音波検査では良性か悪性かの鑑別が可能です。また、状況に応じてMRI検査やCT検査を行う場合もあります。
甲状腺疾患では、しこりが首の下側半分の周辺に出現します。

よくある質問

首が腫れていると指摘を受け、心配です。すぐに受診すべきでしょうか?

首のしこりや腫れの中には自然に治るものもありますが、治療が必要な疾患が隠れている可能性もあります。病的なしこりや腫れの原因として考えられるのは、甲状腺疾患やリンパ節の疾患で、稀にがんも見られます。しこりや腫れが数日以上続いている場合は、お早目に当院までご相談ください。

のどの痛みと首の腫れがあって耳鼻咽喉科を受診しました。お薬を服用しても腫れや痛みが残っています。甲状腺疾患が心配な場合、何科を受診すべきでしょうか?

のどの痛みや首の腫れだけでなく、腫れている部分を押すと痛みがあるようであれば、亜急性甲状腺炎などの甲状腺疾患の疑いがあります。内分泌内科など、甲状腺疾患を扱う診療科の受診をおすすめします。溝の口駅前甲状腺・糖尿病クリニックでは、内分泌代謝科専門医が丁寧な診療を行っております。お気軽にご相談ください。

甲状腺が腫れて倦怠感と頭痛があり、血液検査を受けました。検査結果に異常が認められない場合、特に治療せずに甲状腺が腫れたままでも大丈夫でしょうか?

甲状腺に腫瘍が存在しても、常にホルモンが異常値を示すわけではありません。血液検査に異常がない場合も、念のため超音波検査を受けると良いでしょう。腫れの原因が甲状腺炎などの甲状腺疾患であれば、適切な治療によって腫れが引きます。一方、炎症以外の原因で甲状腺が腫れている場合は、原因に応じた治療を行います。

大きさがおよそ2~3cmのしこりが、のどぼとけの下にあります。何かの病気でしょうか?

しこりが2~3cm程度の場合はサイズが大きい方です。可能性として、甲状腺またはリンパ節の腫瘤が考えられます。超音波検査によって良性・悪性であるかの判断がある程度できますので、早めに当院までご相談ください。検査の結果次第では、当院と提携している病院でMRI検査やCT検査などの画像診断を受けることを推奨します。

のどぼとけの斜め上のあたりに、押しても痛みがないしこりができています。何かの病気でしょうか?

のどぼとけの斜め上であれば、嚢胞やリンパ節の腫脹の可能性があります。超音波検査によってしこりの原因を特定できる場合もあるため、当院までご相談ください。超音波検査だけでは判断できない場合、しこりの一部を採取して検査をすることもできます。